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2007年7月31日
Day 2: TEハンフリーは足首骨折
- 前日負傷したTEトリー・ハンフリーは足首骨折と発表された。詳細は今後の検査を待たなければならないが、今季出場できない可能性が濃厚だとPress-Gazette紙は報じている。手薄になったタイトエンドをいずれは補強したいが、今すぐというわけではない、とトンプソンGM。
- QBファーヴ不在の午前練習ではQBアーロン・ロジャースが好調。ブリッツ練習では6本連続パスを成功させるなど、非常にシャープなプレーを見せた。2ndチームでプレーするQBイングル・マーティンの出来はそれと比べるとかなり落ちる。
- QBブレット・ファーヴは妻ディアナの継父が急死したため、午前の練習を欠席。午後の練習には復帰したものの、4INTを喫する乱調だった。「(親しい親族を失ったことで)精神的に大変だったのだろう」とマッカーシーHCは理解を示している。
- QBブレット・ファーヴは義父の葬儀のため月曜にミシシッピに帰り、水曜午前にキャンプに戻ってくる予定。月曜は練習が1回、火曜が2回、水曜は休日なので、計3回の練習を欠席することになる。ディアナの両親は、ミシシッピ州ハティスバーグのファーヴ家の敷地に住んでいる。ディアナの実父でないといってもファーヴ本人とは非常に親しく、オフシーズンには一緒に庭仕事をしたり、パス練習の相手をしてもらったりしていたとのこと。
- WRファーガソン(足)、TEフランクス、LTクリフトン(慢性的なヒザの問題?)、Sアンダーウッド(ヒザ)、DEキャンプマン(ヒザ)は1日1回の練習にとどめる、とマッカーシーHCは説明。彼ら5人は午前の練習を休み、夕方の練習に参加した。
- 前日の練習の最後でRBヴァーナンド・モレンシーがヒザを少し痛め、この日は休んでいる。軽度のもので心配はしていない、とマッカーシーHCもトンプソンGMも口を揃えている。
- モレンシー不在のこの日のRB陣の序列は、2巡指名のジャクソン、P.J.ポープ 、ノア・ヘロンの順だった。胃を悪くして前日休んだ7巡指名のデショーン・ウィンも復帰している。
- エース格でプレーしたRBブランドン・ジャクソンだが、まだランプレーで少し躊躇するところがある。それでも初日よりはずっとよくなっていて、8ydsのナイスゲインもあった。ただブリッツ練習では、この日もLBホークやLBバーネットに粉砕されている。
- WRドナルド・ドライバーは右肩の状態が悪くまだチーム練習に参加できず、パッドなしで個人ドリルを行っている。8月11日のプレシーズン初戦には間に合うのではないか、とトンプソンGMは楽観的な見通しを示している。ハードワーカーなので、オフシーズンのトレーニングで重いウェイトを上げすぎて再び痛めたのだろう、とのこと。
- この日も3巡指名WRジェームズ・ジョーンズがキレのよいプレーを見せて好評。ドライバー不在のためジェニングスとともに1stチームに入る機会が多く、チャンスを最大限活かしている。夕方の11on11練習だけで6回もパスキャッチに成功し、QBファーヴも安心感を持って投げている様子だ。正確で鋭いルートランニングと密集に強いキャッチ力を武器に、ショートからミドルのレンジで好プレーを何度も見せている。
- ここまでタイトエンドではTEドナルド・リーが1stチームでプレーしていたが、この日夕方の練習ではTEババ・フランクスが1stチームに入った。
- LTクリフトンが休養した午前の練習では、ジュニアス・コストンとオーリン・トンプソンが1stチームの左タックルを務めた。いっぽうLGダリン・カレッジも左タックルとしてDEバジャ=ビアミラを相手に1on1のパスブロッキングドリルを行い、しっかりブロックできていたようだ。
- DTピケットはまだ練習に合流の許可が出ないため、1stチームのDT陣はコーリー・ウィリアムズとコリン・コール。1巡指名のDTハレルは途中で脚のけいれんを起こして退場している。
- プロ2年目のLBアブドゥル・ホッジは膝蓋腱の腱炎のため休み。ヒザの問題がある間は1日1回の練習にとどめる必要があるかも、とマッカーシーHCは語っている。彼に代わって6巡指名ルーキーのLBデズモンド・ビショップが2ndチームのミドルLBを務め、よい働きを見せている。
- 肩を痛めながら昨季全試合出場したCBチャールズ・ウッドソン。オフに手術を受けず自然治癒に任せる方法を選んだが、今は可動範囲も元通りで痛みも全くないとのこと。この日もQBファーヴから2INTを奪うなど好調な動きを見せた。パントリターナーとしても、今のところ最有力候補として扱われているようだ。
- 1stチームのニッケルバックはCBパトリック・デンディがずっとプレーしている。実際プレー内容からしてもCBブラックモンやCBウォーカーらを上回っているとの声。
- 2日目のキッカー争いはKデイヴ・レイナーがやや優勢。レイナーは25、25、30、33、38、43ydsと6本全て成功させた。6巡ルーキーのKメイソン・クロスビーはレイナーと同じ距離から蹴って、30ydsだけを失敗している。2日間でレイナーは11本全て成功、クロスビーも9/10と好成績。
- Pジョン・ライアンのパントは前日ほどではなかったが、10本蹴って平均49.6ydsと上出来の部類。 ただし23ydsしか飛ばないシャンクが1本あった。もう1人のパンターのデヴィッド・ロニーが練習に参加していないのは、足首を負傷しているためと判明。
- 2回のスペシャルチーム練習では、CBウッドソンとWRジェニングスがそれぞれ最初にパントキャッチを行った。2人に続くのはCBブラックモン、WRジョーンズ、WRボディフォード。
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2007年7月30日
Day 1: WRドライバーは当面練習できず
待ちに待ったトレーニングキャンプ初日。スタジアム駐車場の"パッカーズ・エクスペリエンス"を含めると、なんと約10,000人ものファンがキャンプ初日を訪れた、とチーム広報。2時間前に練習フィールドに到着したファンも、隅の方の席しか確保できなかったらしい。
- 詳しい練習スケジュールはこちら。今年は水曜日を基本的に休日にするという冒険にマッカーシーHCが取り組んでいる。
- パッカーズのトレーニングキャンプ名物といえば、少年少女ファンの差し出す自転車に乗って、選手がランボーフィールドから隣の練習フィールドに移動すること(写真)。1960年代のロンバルディHC時代から始まった(NFL唯一の)習慣で、大男たちが小さな自転車を漕いでゆく姿はグリーンベイの夏の風物詩となっている。
- 初日はいきなりフルパッド練習だったが、WRドライバー、7巡指名のRBウィン、DTピケット、DTジョリーは参加しなかった。RBウィンは体調を崩した(風邪かなにか)とのこと。
- WRドナルド・ドライバーは前日のフィジカルチェックで右肩の回復が十分でないと判断され、まだ練習参加の許可が下りない。もともと昨季14週の49ers戦で肩を痛めていたのを、オフシーズンのワークアウトで無理をしたのか再び痛め、6月のOTAも半分ほど欠席していた。もし肩の問題が長引くようだと、ただでさえ武器の少ないオフェンスにとって大きな痛手となる。
- DTライアン・ピケットとDTジョニー・ジョリーは前日のランニング・テストを走り切ることができず、コンディショニング不良と判定された。同じテストをクリアできるまで、チーム練習への参加は許されないとのこと。マッカーシーHCは2人の体作りについて不満を表明している。DTピケットはランニング・テストの途中で吐き気と頭痛を訴えて脱落したらしい。「前回はこれくらい楽勝だったんだけど、(体調面で)タイミングも悪かった。言い訳はできないが、今後は調子を上げていかないと」と弁解している。
- 3番手TEあたりを争っていたTEトリー・ハンフリーが脚を痛め、カートで退場(写真)。その後のX線検査で腓骨骨折が明らかとなった。2つあるスネの骨の細い方が腓骨。「トリーには気の毒に思うが、これもフットボールの一部だ。不運なことだが他の選手にとってはチャンスでもある」とマッカーシーHC。
- ヒザの前十字靭帯断裂から1年、Sマーヴィール・アンダーウッドは完全復帰の許可が下り、初日の練習にフル参加している。1stチームのストロングセーフティは昨年と同じくマニュエルが入り、アンダーウッドは2ndチーム。午後2時からの練習を待ちきれずに、朝7時にはランボーフィールドにやってきてウェイトを上げたりしていた、と本人。
- 昨日報じられたようにデプスチャート上ではDTジャスティン・ハレルがスターター扱いだが、初日の練習ではDTコーリー・ウィリアムズが1stチームでプレーした。上腕二頭筋断裂からの復帰初日、10ヶ月ぶりのフルパッド練習のため、DTハレルは体力回復がまだまだのようだ。トニー・パーマーなど控えガード陣を相手に押し負け、また息切れするシーンも目立った。
- QBブレット・ファーヴは例年どおり50球近くパスを投げ、肩は問題ないようだ。プレー内容も好調で、7on7練習では6/8。不成功2回はレシーバーの落球だった。時おり強風が吹くコンディションのせいか、この日はレシーバー陣にキャッチミスが多く、全般にディフェンス優位の練習内容だった。
- ブリッツ練習では、LB A.J.ホークが2巡指名RBブランドン・ジャクソンを豪快に吹っ飛ばしてブリッツを成功させた。ただこのときRBジャクソンは慣れないフルバックをやらされていた。この日はパス落球も2回あり、散々なキャンプ初日だった。
- 3巡指名のWRジェームズ・ジョーンズは密集でのパスに競り勝つ好プレーを見せた。同じく3番手を争うWRロバート・ファーガソンは、QBファーヴからのロングパスをキャッチしてゆうゆうとタッチダウン。この日のオフェンス最高の見せ場を作った。
- 注目のキッカー争いでは、2人ともFGを全て成功させた。Kデイヴ・レイナーは27yds、27yds、32yds、37yds、37ydsと5本蹴って全て成功(ホルダーはPライアン)。対する6巡ルーキーのKメイソン・クロスビーも、34ydsを4本蹴って全て成功させている。(ホルダーはPロニーとWRマーティン)
- パント練習ではPジョン・ライアンが好調。19本蹴ったうち10本が50yds以上、ハングタイムもコンスタントに4.5秒以上が出ていた。Pデヴィッド・ロニーはこの日のパント練習では蹴らなかった。
- 先月逮捕された事件についてLBニック・バーネットはノーコメントで、「フットボールのことなら話すけど、それ以外のことは今は話さない。ただフットボールをプレーするだけだ」とのこと。検察側は起訴をするかどうか、まだ証拠を調べている。
- 今年からボストン・カレッジのヘッドコーチに就任したジェフ・ジャゴジンスキー前OCがパッカーズのキャンプを訪れ、元同僚たちと旧交を温めていた。ボストン・レッドソックスのベースボール・キャップをかぶっていた。
- 先月パッカーズから解雇されたOTケヴィン・バリーがテキサンズと契約した。シャーマン前HCがテキサンズに移ってから元パッカーズ選手の獲得が多く、RBアーマン・グリーン、RBサムコン・ガドー、FBヴォンテ・リーチ、TEベン・スティール、Cマイク・フラナガン、Cクリス・ホワイト、OTケヴィン・バリー、CBジェイソン・ホートンと少なくとも8人の元パッカーズ選手がロースターにいる。
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ロースター展望 スペシャルチーム編
昨年初めてスターターを務めたキッカーのデイヴ・レイナーで問題なしと思われたが、ドラフト6巡でメイソン・クロスビーが指名され、トレーニングキャンプでは注目のキッカー争いとなりそうだ。いっぽうパンターはNFL2年目のカナダ人ジョン・ライアンの座を、オーストラリア人のデヴィッド・ロニーが追う珍しい争い。ロングスナッパーはTEクラーク・ハリスが7巡指名で入団したものの、38歳のロブ・デイヴィスは今年も安泰だろう。
リターナーは混沌としていて、公式デプスチャートには大量の選手がリストされている。パントリターナーは昨年務めたCBウッドソンやWRジェニングスがいるが、本職での存在価値を考えると、できればこの2人以外に任せたいところ。となると、WRボディフォードや3巡指名WRジョーンズ、またはCBブラックモンあたり。キックオフリターナーはRBモレンシーと2巡指名RBジャクソンの先発争いで敗れた方が最有力となりそうで、その他にWRボディフォード、CBブラックモン、多数の控えRBたちも候補となる。
K デイヴ・レイナー Dave Rayner
ミシガン州立大から2005年のドラフト6巡指名でコルツに入団し、Kヴァンダージャットに代わってキックオフスペシャリストを務めたが、昨年春に解雇されてパッカーズに移った。FA移籍したロングウェルの後継争いで、ビリー・カンディフに競り勝ってスターターに。荒天やぬかるみに苦しんだ試合もあって成功率は74.3%にとどまったが、ヴァイキングス戦で終了直前の決勝FGを成功させるなど勝負強いところもみせた。
54ydsFG成功は球団記録タイで、飛距離を活かしてキックオフもよい。タッチバック11回はパッカーズとしては9年ぶりの多さだった。キッカーやパンターは先発1年目より2年目の方が成績が伸びるもので、まだ伸びシロは十分ありそう。特に悪天候での安定性を向上させたい。
K メイソン・クロスビー Mason Crosby
コロラド大から今年のドラフト6巡c指名で入団。詳しくはルーキー紹介を参照のこと。非常に強いキック力を武器に4年間活躍し、今年の最有力キッカーの1人と評価された。飛距離は標高の高さのおかげだったという見方もあるが、アウェー戦でもロングFGをたくさん決めている。キックオフの飛距離も素晴らしく、元6巡指名という点を含め上記レイナーと似ている点が多い。今夏のキャンプでは先発争いが注目されるが、タフな1年を経験したレイナーを倒すのは容易ではないはず。
P ジョン・ライアン Jon Ryan
カナダのレジャイナ大から2004年にCFLウィニペグに入団し、2年目に急成長を見せてCFL記録を塗り替えた。昨年春パッカーズの誘いで初めてNFLにやってきて、B.J.サンダーとの争いに完勝して正パンターの座をつかんだ。末期がんの父との別れ(記事1・2・3)などつらいシーズンを送ったが、成績はまずまずだった。しっかりヒットしたときは素晴らしいパントを蹴るもののまだ不安定で、ハングタイムの短い蹴りそこないのせいで好リターンを許すシーンも目立つ。
不安定さを解消するため、今春は3ステップから2ステップへの変更に取り組んできた。もともと飛距離は十分あるので、多少パワーダウンしても安定したハングタイムを稼ぐほうが重要、との考え方だ。今年は下記のオーストラリア人デヴィッド・ロニーとの先発争いとなっているものの、2年目のライアンがかなり優位と見られている。
P デヴィッド・ロニー David Lonie
カナダ人パンターのライバルは28歳のオーストラリア人。詳しくは今年5月の記事を参照のこと。話せば長くなるが、かなりの紆余曲折を経てカリフォルニア大でプレーした。昨年レッドスキンズにドラフト外入団したが、開幕前に解雇されている。6フィート5(196cm)の長身で非常に強い脚があり、サッカー・水球・陸上十種競技で活躍したアスリートらしい。パントの不安定さを解消するため、こちらも今春はフォーム改造に取り組んできた。
LS ロブ・デイヴィス Rob Davis
ディビジョンIIのシッペンバーグ大を1992年に卒業し、ジェッツやCFLを経て4年目の1996年に初めてベアーズで正ロングスナッパーとなった。翌1997年開幕前に解雇されるとシーズン半ばにパッカーズに移り、以後10シーズンにわたって全試合出場を続けている。非常に安定したスナッパーで、これまでライバルらしいライバルが現れたことがない。他のポジションを兼ねることができないので、ロースター枠を節約できないのが不満といえば不満か。
大学でロングスナッパーを兼ねていたTEクラーク・ハリスが7巡指名入団したが、まだ不安定でデイヴィスの座を脅かすのは無理そうだ。いまやチーム最年長の38歳となり、選手・家族の世話役 "Director Of Player Development" の補佐を兼ねることも発表された。若手選手のよき兄貴分で、選手会へのチーム代表でもあり、チャリティ活動もきわめて熱心。引退後はフロント等で仕事をしたい希望があるようだ。
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2007年7月29日
1巡指名DTジャスティン・ハレルが契約にサイン
トレーニングキャンプ初日を前にして、ドラフト1巡指名のDTジャスティン・ハレルが5年契約にサインした。めでたくドラフト指名11人全員との契約を終え、キャンプインできることになる。詳細は不明だがJournal Sentinel紙によると、インセンティブまで含めた総額は$14.5ミリオンと$15ミリオンの間とのこと。
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ロースター展望 S編
昨年はSSマニュエルのFA補強が大失敗で、ディフェンス最大の弱点となったセーフティ陣。アサインメントミスからロングTDを許すシーンが目立ち、「コミュニケーションミスがTDの原因」という事後説明ばかり聞かされるシーズンだった。FSコリンズが若く荒削り、SSマニュエルは鼠蹊部のケガが長引いてシステムに習熟できなかった、という同情の余地はあるものの、大きなミスがあまりにも多い。両CBは文句なしの力量があるだけに、最後の砦としてビッグプレーを許さない、堅実なプレーがセーフティには求められる。
今オフはFA補強をせず、ドラフト3巡でアーロン・ラウスを指名したにとどまった。プロ3年目のニック・コリンズは先発フリーセーフティ留任が決まっているが、相棒のストロングセーフティは今キャンプでの先発争いしだい。昨年スターターを務めたマーカンド・マニュエル、ケガで1年を棒に振ったマーヴィール・アンダーウッドの争いに3巡指名のラウスが加わってこられるかどうか。
ロースター枠は通常4人で、5人のこともある。先発FSコリンズに加えてアーロン・ラウスも3巡指名なのでまず安泰と思われるが、それ以外はどうなるか全く予想がつかない。マニュエルもアンダーウッドも、スターターと解雇の両方の可能性がある。
ニック・コリンズ Nick Collins
ディビジョンI-AAのベスーン・クックマン大から2005年ドラフト2巡指名で入団。1年目から全試合に先発してまずまずのプレーを見せたが、2年目の昨季は完全に伸び悩んだ。CB並の素晴らしいスピードとパワーがありタックルもしっかりしているが、問題は首から上の部分。読み・判断力・嗅覚といったあたりが未熟で、恵まれた身体能力を活かせていない。自分の責任を認めようとしない精神的幼さや、仲間とのコミュニケーション能力の問題を指摘する声もある。
伸び悩んだ昨季だが最終戦では2INTを含め素晴らしいプレー内容を見せ、3年目への期待は大きい。学習能力が低いのでプロのディフェンスに習熟するまで時間がかかっただけ、と考えたいところだ。いずれプロボウラーになる器、とコーチたちは賞賛しているが、もし今年も伸び悩みが続くようなら、チームとしては困ったことになる。
マーカンド・マニュエル Marquand Manuel
フロリダ大から2002年のドラフト6巡でベンガルズに入団し、1年目から8試合に先発したが、3年目に解雇されてシーホークスへ。プロ4年目はSケン・ハムリンの代役としてスーパーボウル進出に貢献し、その活躍が認められて昨年パッカーズにFA移籍した。SSで即スターターとなったが、鼠蹊部とふくらはぎのケガが尾を引いたせいかプレー内容は非常に悪く、パス守備崩壊の戦犯に。コミュニケーション能力が高いとの評判でリーダーシップが期待されたが、DB陣はバラバラだった。
今オフはケガもなくミニキャンプやOTAにフル参加できており、昨年よりも動きがよくなっているのは確かなようだ。現状では先発ストロングセーフティ扱いだがあくまで仮のスターターで、若手との先発争いが期待されている。
マーヴィール・アンダーウッド Marviel Underwood
2005年のドラフト4巡指名でサンディエゴ州立大から入団。1年目は同期のコリンズのような即戦力にはなれず、2年目の昨季は大きな成長を見せていたキャンプでヒザの前十字靭帯を断裂してシーズンエンドとなった。今オフは順調に回復したもののここまで個人ドリルにとどめており、トレーニングキャンプから復帰の予定(練習量を加減するかも)。今キャンプでの成長が最も期待されている選手の1人で、先発の座をプッシュしてほしいところ。
アーロン・ラウス Aaron Rouse
ヴァージニア工科大から今年の3巡b指名で入団。詳しくはルーキー紹介のページを参照のこと。身長6-4(193cm)と超大型ながら4.55秒のスピードがあり、ビッグプレー能力もある。大学2年目までLBをしており、セーフティ経験は浅い。スクリメージ寄りで守るのはよいが、1on1でのパスカバレッジには不安があるらしい。リスキーな指名と見られており、昨年フルタイムのスターターでなかった選手にプロ1年目から期待するのは無理があるかもしれない。
アタリ・ビグビー Atari Bigby
セントラル・フロリダ大から2005年のドラフト外でドルフィンズに入団し、その後ジェッツを経てパッカーズへ。昨年春にNFLヨーロッパで活躍した後、シーズン半ばにプラクティス・スクワッドから昇格して主にスペシャルチームでプレーした。今春の成長はコーチ陣からかなり高く評価されており、少なくともロースター争いには加わってきそうだ。マイアミの高校ではマーカンド・マニュエルの2年後輩で、今オフも一緒にトレーニングをしていたらしい。
タイロン・カルヴァー Tyrone Culver
フレズノ州立大から昨年のドラフト6巡指名で入団し、アンダーウッドの戦線離脱で3番手Sに昇格した。CB陣の層の薄さもあってダイムバック(6人目のDB)となったが、シーズン後半はダイム隊形がほとんど使われなくなったので、実質的にはスペシャルチーマーだった。身体能力は高くなく、頭のよさで勝負するタイプ。器用な控え選手としては重宝かもしれないが、スターターを狙うポテンシャルがあるかどうか。今年はロースター枠ぎりぎりを争う。
チャーリー・ペプラー Charlie Peprah
アラバマ大から昨年のドラフト5巡指名でジャイアンツに入団したものの、開幕前に解雇されてパッカーズへ。スペシャルチームのみで8試合に出場した。大学2年まではCBをしており、カバー能力のあるFSタイプと思われる。上記ビグビーの好評さと比べると彼の名前を聞くことが少なく、ロースター争いはかなり不利のようだ。
アルヴィン・ナブーフィ Alvin Nnabuife
サザン・メソジスト大から昨年のドラフト外でレイダーズに入団し、シーズン半ばにパッカーズのプラクティス・スクワッドに加わった。今春はNFLヨーロッパに派遣されたが、ケルン・センチュリオンズでスターターにはなれなかったようだ。
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Notebook: QBファーヴの体調は万全
- キャンプ前日の金曜昼、マイク・マッカーシーHCが今キャンプ最初の記者会見を行った。選手たちがまだフィジカルチェックや体力テストを行っている最中の会見なので、全ケガ人の状態をヘッドコーチが完全に把握しているわけではない。
- 全選手が予定通りに集合している、とマッカーシーHC。
- QBブレット・ファーヴの体調について、マッカーシーHC。「(今オフ手術を行った)足首はもう大丈夫で、素晴らしい体調にある。肩の方も、独自にずっと投げていた。もし練習量を抑える必要があったら、1日(2回の練習のうち)1回に制限することもできる」
- チーム公式サイトの最新デプスチャートで、1巡指名のDTジャスティン・ハレルがスターターの扱い。昨年7サックを挙げたコーリー・ウィリアムズがいるうえ、ハレルは上腕二頭筋断裂からようやく完全復帰するところなので、いきなり先発扱いは意外と受け止められている。これはヘッドコーチが承認ずみなのかと聞かれたマッカーシーHCは、その通りだと認めた。「もし今日開幕を迎えるとしたら、ハレルを先発させるだろう。彼のポテンシャルに基づき、ベースディフェンスでは彼を使っただろう」
- そのほか公式デプスチャートで注目されるのは、ドナルド・リーがタイトエンドのスターターで、フランクスが2番手になっていること。
- DTとは違ってランニングバックはまだモレンシー、ジャクソン(2巡指名)の順。フルバックの2番手はパウドレル(ドラフト外)で、以下ホール(6巡指名)、ホワイト(ドラフト外)の順となっている。
- ストロングセーフティは昨年のままマニュエルがスターターで、以下ビグビー、アンダーウッドの順。ストロングサイドLBの2番手はスペンサー・ヘイヴナーとなっている。
- 先日スウェーデン人のLBビヨークと特別プラクティス・スクワッド枠で契約したパッカーズだが、今度はスウェーデン人センターのC.J.ブロムヴォールと契約。ブロムヴォールはテンプル大でプレーしたあと、NFLヨーロッパのハンブルグ・シーデビルズで2シーズンプレーしていた。
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2007年7月28日
ロースター展望 CB編
ハリスとウッドソンはリーグ屈指の先発コンビだが、逆に3番手以降となるとリーグ屈指の低レベルかもしれない。今オフはフランク・ウォーカーをFA補強したが先発を脅かすような選手ではなく、ドラフトでも指名はなく、プロ2年目のブラックモンの成長に期待するのみ。ニッケルバックの出番は全スナップ数の半分ほどあるものなので、パス守備の安定のためには若手の底上げが非常に重要となる。ハリスが32歳、ウッドソンも30歳と微妙な年齢にさしかかっていて、将来への不安は大きい。